シニタイウィルス

スマホでは、画像の上で指を広げると、大きくして見られます。

久々に携帯にアホメールが届いた。

それは「かしげウイルス」という冗談にしては悪質なチェーンメールだった。自分の代わりにその「かしげウイルス」(なんじゃ、そりゃ)とやらに感染して死んでくれ。「さもないと私があなたを殺しに行きます」というバカバカしいものだった。

いつもならそんなものすぐに削除して放っておくが、こんなものを送りつけてくるのはどうせ中学生の幼稚なガキだろうと思うと、 ちょっと懲らしめてやりたくなったので、返事を返してやった。

「久々にアホメール受け取ったけど、メアドからお前の身元なんかすぐに調べられたぜ!しょーもないことすんな!ボケ!」と。

あ~あ。こんなしょーもないことに返事してバカみたいって思ってたら、すぐに「ごめんなさーい!!」って返事がきた。あらら。「うっさい!ボケーッ!!」とかって返ってくるかと思ったら・・・。

「なかなか素直でよろしい!」と大サービスでまたまた返事を返して、ふ~ん。今時、まだこんな素直なガキもいるんだなぁ~と、ちょっと気を良くしていたら夜になって、そのガキ、友達にでも入れ知恵されたのか「あたしの名前いってみ~」と、きたもんだ。無視してたらまた「ほら、言われへんやんけーハゲー!」と、きたもんだ。

こりないガキだ・・・。

「お前さっきのチェーンメールに殺してやるって書いてたな?あれって脅迫だぞ。警察が介入することになるけど、それでもいいのか?」ともう一度ハッタリで脅すと、しばらくおとなしくなって今度は真夜中に「あたし死にたい。あたしを殺しに来いよ!」と、きた。

今度はドラマ路線できたか???と思ったが、暇だったので、いたずらにのってやった。「そんなに簡単に死ねると思ってんのか?しょーもないメール打ってないで、そのへんのアホガキとでも遊んでろ!」

「あなたも死のうと思ったことあるの?あたしたち気があいそう・・・」

「お前なんかと気が合うかい。死にたきゃ勝手に死ね!もうウザいからこの携帯、どぶに捨てるから二度とメールしてくんなよ。 二度と返事は出さないからな。」

「おぅ!アホガキと遊んどくわい!たぶんなぁ、もう少ししたらニュースとか新聞に、あたしが死んだこと載るで!じゃあね」

「笑えるなぁ。お前。一日に何人が自殺図ってると思ってる?お前一人が死んだくらいのことでニュースになるほど今の世の中、平和だと思ってるお前はアホすぎる。どうせならもっとかしこくなってから死ねよ。アホが死んでも浮かばれないぞ」

「もう返事出さないんじゃなかったの?ってゆーか、あたしが死んだらマジでニュースに出るよ!早く死にたいなぁ・・・長生きなんかしたくねー!20年も生きればもう充分さ。」

ゲッ。こいつ。二十歳にもなってたんかい。嘘だろ?まだアホ芝居を続けたいのかよ。

「死ぬ死ぬってえーかげんにせーよ。死ぬことがそんなに綺麗なもんだと思ってるのか?自殺者は変死扱いで解剖されるんだぞ。 そのあと穴という穴に綿を詰め込まれて、棺おけにつっこまれるだけなんだ。誰もお前のことなんていつまでも覚えてなんかいてくれないぞ。死んで楽になれると思ってるのか?」

「別に楽になろうなんて思ってないけど、今が苦しすぎるの。ありがとう。死ねって言ってくれて・・・。今度こそホントに死ぬよ。ありがとう。バイバイ」

「どうせいつかは死ぬのにあわてることないって」

「だってあたしにはもう何もないんだよ。だから死ぬよ」

「死ぬ死ぬって言って、お前、私を殺す気か?さっきからお前のせいで腱鞘炎になりそうだよ。私が死んだら香典送れよ!ブス!」

「君とメールしてるのおもしろい。なんだか楽しくなってきた」

アホらしくなってきて携帯の電源をオフにして、その夜はそのまま寝た。

朝、目が覚めて時計代わりの携帯を手探りで探して電源を入れると、なんと未読の受信メールが六通も。ぞっと、した。まだドラマの続きかよ?

「あたしがウザいの?ホントに死ぬよ」

「ニュース楽しみにしててね」

「殺してよー」

「バイバイ・・・」

「あたしにはなんにもないの。もう、なんにも・・・」

「あたしがウザいんだろ?そんなにウザいなら早くあたしを殺しに来てよ!あんたの目の前で死んでやるよ」

メールは一時間おきだ。こいつ、寝てないのか?もしかして、本気なのか?全てのメールが内容とは逆で「死にたくない死にたくない」のパレードなのに。

「コラ!ストーカー女!まだ生きてるか?」

「やっと返事くれたね。ありがとう。 ってゆーか、あたしストーカーなの?」

「昨日から私をつけまわしてるストーカーじゃんか」

「早くあたしを殺しに来てよ」

「ブスが死ぬとこなんて見たくねー」

「怖いの?」

「アホ。こちとら死体なんか嫌ってくらい、見てるんだよ」

「どこで?仕事?」

「死体を見るのが趣味なんだよ」

「どこで見れるの?あたしにも見せて」

「お前みたいなド変態は死体サイトでも見てオナってろ」

「死体見てオナってんの?」

「こっちはお前みたいな変態じゃねー!」

「変態嫌い?彼女いるの?」

「へっ?私にほれたんかい?」

「ほれた」

「ゲッ・・・」

彼女なんかいるわけねーやん。私は女だぜ。

もう、やめよ。遊びが過ぎたようだね。

でもこっちが遊んでたんか、それとも遊ばれてたんかどっちやねん?

まぁどっちでもいいけど、今頃「コイツ、ばかー」とか言って、友達のアホガキとケタケタ笑ってることを祈るよ。

かしげウイルスだか、死にたいウイルスだか、なんだか知らないけど、誰も彼もが、病んでるねー。

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